akane's diary

ほぼ音楽とアイドルとアニメ(アニソン)の話

1月19日 メイプルカナダアナログ発売企画「ブルーベリー急行」 at 渋谷TSUTAYA O-nest

 

 去年の末に、apple musicで聞いてメチャクチャぐっときたバンドがThe Wisely Brothers。セツナ叙情系ギターポップで、peggiesあたりと同傾向だと思うんだけど、もっと洋楽的というかポストパンク的な匂いもしてて、こりゃライブ観ないと!と思った次第。

ニカホヨシオ&the SunRaTans
 クラブミュージック風味のシティソウル。演奏上手いしアレンジも複雑で洒落てるしメンバー含めて意識高い感かなり高い。

王舟
 これは驚いた。ギター一本の弾き語りなんだけど、思い切りアメリカンフォークミュージック。しかもボブ・ディランとかオルタナカントリーとかそういうのを経由してる感じではなく、まんまフォークミュージック。カバー曲なんかもやったりして、いやなんつうか、こういうのやってる人いるんだなあ。なんか妙にしっくりしてて非常によかった。

The Wisely Brothers
 女性3人組。期待していたとおりの素晴らしさ。最近は元気なポップロック系や椎名林檎大森靖子的な激情型の女性バンドが多いですが、個人的にはこの手のやや静謐なタイプが好きだなあ(サブカル小並感満載発言)。
 このバンドのいいところは、切ないメロディをベースとしたポップソングなのに、歪んだギターを響かせて、時にポストパンク的にノイジーな音の洪水が訪れたりするところ。ある意味ソニックユース的な風情もあって、そこがすごくおもしろいし、素晴らしい。

ということで、しばらくの間、わたしの中ではThe Wisely Brothersは要注目バンドと化すことが決定しております。

1月15日 坂口喜咲 弾き語りワンマンライブ!〜新春!! GOLDEN KIICHAN 2016〜 at 新宿ゴールデン街劇場

 

 坂口喜咲は日常である。もちろんそれは女性、、、ここでは女の子と書いた方がより内実に近いとは思うのだけれど、その女の子の日常をそのまま曲にして、唄い、泣き、笑う。その多くは恋愛にからんだことで、しかもそれは決して順風満帆でhappyなものではなく、ツラく切なく悲しく、しみったれている。
 でも、坂口喜咲がライブにおいてその日常を唄う時、そこに現れるのはドロドロとネガティブでどうしようもない負の感情などではなく、もっとずっと開放的で「大丈夫!」と全てを解き放つ何かである。

 ライブで世界を変えられる人がいる。世界といっても人類の未来的なものではなく、ライブ会場をそうではない何かに変えられる人である。パフォーマンス一発で会場の空気を変え、別個の世界を作り出し、そこにいる客を違うどこかへ連れて行ってくれる。そういうライブに立ち会えた喜びは何ものにも代えがたい。そして、坂口喜咲はそういうアーティストの一人だと思う。

 というわけで、坂口喜咲のワンマンライブ、しかも昼夜2回公演です(笑)。あるのに気付いた時にはチケット売り切れてて「行けねえ!」と思ったんですが、ライブ会場での手売りチケットがまだ残っていたおかげで昼夜2回とも観ることができました。

 今回のワンマンライブは基本弾き語り。セットリストも新旧取り混ぜた内容で、いろいろと懐かしい曲も聴けて、なんだか思った以上にじわりと心にしみてしまった。ということで前段の内容に繋がるんだけど、ほんとに坂口喜咲がライブで作り出す世界は格別。わたしは別に女じゃないので(笑)、歌詞の内容に「そうそう!」と具体的に共感するわけではないのだけれど、それでもなぜかその内容が心にしみてしまう。

 でも、坂口喜咲のライブは楽しいのだ。一歩間違えば天然/電波系なMCのせいでは決してなく、単純に楽しい。心の底から観てよかった!と思うし、幸せになれる。今回もそんなライブで、じんわりと暖かく、でも切なく、悲しく、でもやっぱり楽しい。至福の時間を過ごさせてもらった。

 ま、それは置いといて、実は一番驚いたのが「最近地下アイドルが多すぎる!」というMCから始まったアイドル批判曲。確かに微妙にアイドルと共演してたりもするけど、そこまでdisりますか(笑)。いやでもいちいち「ああそうかもね」な内容でなんだか妙に可笑しかった。

1月13日 祝!生誕70年 エンケン祭り at 渋谷クラブクアトロ

 

 遠藤賢司である。最初に聞いたのは1988年にやった全日本フォークジャンボリーのCD。折しもバンドブーム期に行われたフォークジャンボリー。当然ながら出演者の中にはバンド関連の人もたくさんいて、もちろんそっちを目当てに買ったわけですが、そんな中インパクトを受けたのは高田渡友川かずき遠藤賢司といったフォーク期の方々。そこからいろいろ70年代フォークを聴き始めるわけですが、たたみかけるように友人にその手の70年代を好きな人がいて、そのつながりでライブにも行くようになって、当たり前のようにエンケンのライブに衝撃を受けて、その後はボチボチとライブに行くようになって、、、という形。ボチボチというとおり、熱心なファンではないですが、エンケン友の会にも入ってたし(第一号の新聞?とか特典ビデオも持ってるぜ!)、節目の記念ライブも観てる。だからどうしたという話ではないですが。

 

エンケン
 まずは白い衣装に銀髪のエンケンエレキギターを弾きまくるちゃんとやれ!えんけん!とピアノのソロ曲(世界で一番君が好き、カレーライス奇想曲)。相変わらずのギターの音圧に圧倒される。ピアノのソロ曲はまあそういう感じね、というところでしたけど(笑)。

 

曽我部恵一
 ややしっとりめの東京とカレーライスを披露。風貌はただのおっさんだな(笑)。インパクトには欠けてましたがいいライブ。

 

湯川潮音
 ミルクティー披露。これまたしっとり。ちょっと雰囲気の違うミルクティーというか大人の雰囲気濃厚だった。

 

大槻ケンヂ
 湯川潮音とデュエットで哀愁の東京タワー、そしてソロで日本印度化計画。弾き語りの系譜としては遠藤ミチロウタイプ。

 

遠藤ミチロウ
 おやすみ、オデッセイ1985SEX。いやもうオデッセイ1985SEX(福島なまりバージョン)を聴けたのがなんというか。素晴らしかった。

 

大友良英&エンケン
 まずはエンケンがソロで1曲(44年目のカレーライス)披露した後に夜汽車のブルース。最初は大友さんのギターがあんま聞こえなくてアレでしたが後半はフィードバックされたギターが存分に。ただまあもう少しグイグイいってもよかったんではなかろうか。

 

鈴木慶一
 ほんとだよ、塀の上で。いやこれスゴかった。リゾネーターギターっぽい音色でフィードバックをまき散らしつつ幽玄とパフォーマンスされる「塀の上で」はちょっと空間自体異次元にいる風情。サイケデリックブルースの極北。

 

PANTA
 悪たれ小僧、時代はサーカスの象にのって。PANTAはなんといってもボーカルの力強さにつきる。一人だけダイナミックレンジが違う感じ。すごい。

 

フラワーカンパニー
 深夜高速、東京ワッショイ。東京ワッショイは途中からエンケンが登場し一緒にパフォーマンス。昔みた時のような狂騒感は抑えめでしたが、ロック的な迫力は十分。バンド演奏としての力強さを発揮してた。

 

エンケンバンド
 まずは男のブルースを披露。これがまあものすごくて、フォーマットは完全なブルースコードながら出てくる音は完全にオルタナティブでハードコアでパンクでサイケデリックでロックなそれ。最近ストーンズがブルースアルバム出して話題になってましたがあんなもんじゃない爆走ぶりがもうスゴすぎる。さらに畳みかけるようにフォロパジャクエンNo.1。これまたガチャガチャとかしましいロックで最高。
 さらにアンコールはゲスト陣が集合しての不滅の男。これはちょっとギターの音含めてやや消化不良気味な感もあったけど、いかにも大団円的な風情はよかった。
 ラストは山本恭司!がゲストとして登場しての夢よ叫べ。非常に幻想的なパフォーマンスで美しい締めくくり。

 

全体的にみるとちょっと消化不良というか散漫な印象もあったけど、個々のパフォーマンスは素晴らしくて、いいライブ。つうか、鈴木慶一PANTAエンケンといった先人が人生の終盤(失礼)に差し掛かったところで、改めておのれの自我を全開にして唄うことの凄みを感じ日だった。なんかもう音楽家としての立ち方が違う印象。

12月20日 OVAL Live in Japan 2016 at TSUTAYA O-nest

 

 さてOVALである。OVALには個人的な因縁があってというか詳細はアレですがいろいろあって何年か前の日本公演はチケット買ってあったけど行けなかったので、今回満を持してのライブということになる。

 わたし的にOVALといえばグリッチノイズというか大昔にThrill Jockeyからだしてたアルバム群を思い浮かべるわけですが、今回のライブはそういうタイプとはやや違って、すごくクラブミュージック的というか明確なビートとメロディがすごい音圧で鳴ってる感じ。とにかく飄々とステージに現れて出した一発目の音の音圧がすごくて、まずはそこで圧倒される。後はそのまま一気呵成、、、と言いたいとこですが、次曲の仕込みのためか曲間がすごく長くて、クラブ的なノンズトップ感がなくて、そこがなんか変な感じだったなあ。
 まあクラブミュージック的というものの、当然そこかしこに変な違和感というか不協な音が介在しててその表出具合はちょっと面白かった。ただまあそれが全体のリズムやメロディを崩すわけではなく、どちらかというと装飾的な意匠だったのは個人的には少し残念。

 非常に素晴らしいパフォーマンスだったのは間違いないんだけど、どうも個人的な思いというか期待とは少し違ってて、まあでもそれは言っても仕方ない話で、ここはもう楽しんだもん勝ちというところか。まあ音圧的には最高に近かったしね。

12月14日 六本木Varit@みんなでしあわせゲットだぜTOUR~98%J-POP発売日編~ at 六本木Varit

 

六本木Varit、初めて行ったんだけど本来はクラブなのかな。なんか六本木感溢れるとこだった。

坂口喜咲
 行ったらもう始まってた(泣)。なのでちょっとしか聴けませんでしたが、やはり素晴らしい。多分個人的に今一番沁みる曲をやる人。別に心情重ねるとか「分かる分かる!」とかそういうことではなくて、日常的なホントにどうでもいいことなんだけどどうしようもなくココロの中を占有しちゃう出来事(主に恋愛)をメロディにのせるそのあり方がすごく素晴らしくてじんわりくる。ただ、新しめの曲はもう少し視点が大きくというか俯瞰的というかエコロジー的というかなんかそういう感じになってる気がして少しモヤモヤしてる。あと、ラストで客席に降りてきてムチャするパフォーマンスもいつもやってると思うと少し興ざめしちゃう感はあるかも。

MOSHIMO
 もう何度も書いてる気がしますが、キュートな性急系ギターガールズロック(適当)。端緒は7188とかとかねごととかSCANDAL(はちょっと違うか)とかそのあたりになるのかよく分かりませんが(これも適当)、今ガールズロックといえばこれか、これからキュートをとって椎名林檎を入れたタイプかっていいくらい多いタイプ。そうなってくるとオリジナリティとしてはキャラクターによるところが大きいと思いますが、そこはまだこれからという感じか。ただ、曲はいいのでライブはおもしろい。

ぽわん
 名前はずっと知っていたけど初めて見たグループ。日本マドンナとかそっち系の赤裸々系パンクバンドかと勝手に思ってたんだけど、系譜としてはふぇのたす〜水曜日のカンパネラの感じでした。もっと全然下品で厨二感に溢れてるけど(笑)。
 このバンドに関してはそのどうしようもない厨二感が最大のポイントで、メンバー全員変な衣装で統一してたり、客を煽りまくるMCだったり、ドラマーが下品さ全開のコール&レスポンスしたり、やってることが全体的にバカバカしさに溢れており、その点カンパネラあたりに観られるインテリ感が薄くて素直にライブが楽しめる。
 まあそれはいい。問題は1曲目だ。ボーカルが客席に降りてきて客を煽ったわけですが、その一端としていきなりブルマ(往年のアレね)をアタマに思いきり被せられるという処遇にあってしまっていやこれどう処理すれば正解なんすかね、、、とおたつく始末。つうかオレにどうしろと、、、。しかもそのブルマ、周囲の常連っぽい人に訊いたら「全然持って帰っていいっすよ!」と言われたんで持って帰ってきたんだが、よく考えたら持って帰ってこれをどうしろと、、、(笑)。

つうわけで、いろいろあっておもしろかった。遅刻したのが悔やまれる。