11月21日 ekoms presents OUT OF STEP at 新宿LOFT
ekomsってのは桜井健太が代表を務める音楽制作会社で、今回のイベントはそのekomsが企画したもの。なので、メンツ的にはかなり狙ったものとなっておりまして、正直ちょいと前のワタクシなら「ケッ!」となると思うんですが、もうそういう時期は過ぎ去った(のか?)。
二丁ハロ
おなじみ二丁目アイドル。以前見た時よりもはじけてるというか、二丁目的ないかがわしさは残しつつもより親切設計で開放的になったイメージ。まあこちらが慣れてきたって面もあるのか。
しかし、サクライケンタの作った曲をやってたわけですが、この人の曲ってメロディは文句なく素晴らしいんだけど、変拍子の使い方とかそこかしこにある種の「ドヤ感」が漂ってて、パフォーマーによってはそのドヤの空気にシラケることもあるんですが、そのドヤをオイオイ系のアイドルソングに変換することで上手くプラスの方向に持って行ってた。後述するブクガとの比較になっちゃうけど、サクライ曲の処理としてはこれ(変拍子なんてクソ食らえ)が正解なんではないかとも思える。
羊文学
立ち居振る舞いは文化系ミュージックというかいわゆるアングラ的な雰囲気をかもしだしてましたが、音楽的にはいわゆる最近のガールズロックの潮流でもある叙情系ギターロック。悪くはないんだけど奏やアレンジ、ギターの音色などいろいろツメが甘い気がする。まあでもメンバーが出番以外の時に客席ですごくライブを楽しんでてそういうのを観てると応援したくはなる(笑)。
BILLIE IDLE®
今まで音源しかきいたことなかったんだけど、その音源(の一部)はオリジナルパンクにエレポップ的な雰囲気をまとわるというやっすいニューウェイヴ感に溢れた素晴らしいデキで、とりあえずパフォーマンスを観たかったグループ。で、パフォーマンスもその音源と同様にミュージカル的な意匠をまとったものですごくレベル高い。がしかし、そのレベルの高さゆえか構成があまりにもキッチリしてるせいか、ライブとして観た時にはみ出すものがなくて、パンキッシュば楽曲にもかかわらずなんだかすごくお上品なイメージ。そういう意味で資質的には清竜人25に近いのかも。あるいは宝塚か。
全体的に演じてる雰囲気のあるメンバーの中で唯一の異物はファーストサマーウィカなんだけど、いかんせん芸達者すぎてアイドルというよりは芸人にみえちゃうのがいろいろ残念。しかしサマーウィカ、(キャバクラ的なベクトルで)メチャ美人になってるなあー(笑)。
THIS IS JAPAN
性急系ギターロック(ワイルド寄り)。このタイプの音楽はキライではないんだけどさすがに食傷気味。とはいえ性急感はすごく出ていてライブはよかった。まあでもやりにくそうでした(笑)。
Maison book girl
前回見たのはだいぶ前で、その時はまだ全体的にぎこちなくグダグダといっていいパフォーマンスでしたが、周囲(といっても狭いですが)の評判どおり確かに完成度高くなってた。ダンス含めて整合感がとれてて、サクライ作品特有の叙情感を過不足なく表現してる感じ。とはいえ問題はまさにそこで、ここでのブクガは「サクライさんっぽい曲を演じるグループ」であって、特徴的なメロディを表現するためのダンスや変拍子を強調するための手拍子(合いの手)、グループとしてのまとまり、個人的にはその辺しか残らないというか、ぶっちゃけ言えばもう少し個としてのエモさが欲しい。まあその辺は数観れば自ずとみえてくるのかもしれないけど、ファーストインパクとしての「何か」が欲しい気はするなあ。
てなわけで、いろいろ言いつつも全体として楽しかった。ekomsのイベントって思考的なものが微妙に透けて見えちゃって「ああ、、、」と思うんだけど、なんかもうそういうので忌避すること自体マケだと多少認められる歳になって参りましたよ(笑)。