akane's diary

ほぼ音楽とアイドルとアニメ(アニソン)の話

1月13日 祝!生誕70年 エンケン祭り at 渋谷クラブクアトロ

 

 遠藤賢司である。最初に聞いたのは1988年にやった全日本フォークジャンボリーのCD。折しもバンドブーム期に行われたフォークジャンボリー。当然ながら出演者の中にはバンド関連の人もたくさんいて、もちろんそっちを目当てに買ったわけですが、そんな中インパクトを受けたのは高田渡友川かずき遠藤賢司といったフォーク期の方々。そこからいろいろ70年代フォークを聴き始めるわけですが、たたみかけるように友人にその手の70年代を好きな人がいて、そのつながりでライブにも行くようになって、当たり前のようにエンケンのライブに衝撃を受けて、その後はボチボチとライブに行くようになって、、、という形。ボチボチというとおり、熱心なファンではないですが、エンケン友の会にも入ってたし(第一号の新聞?とか特典ビデオも持ってるぜ!)、節目の記念ライブも観てる。だからどうしたという話ではないですが。

 

エンケン
 まずは白い衣装に銀髪のエンケンエレキギターを弾きまくるちゃんとやれ!えんけん!とピアノのソロ曲(世界で一番君が好き、カレーライス奇想曲)。相変わらずのギターの音圧に圧倒される。ピアノのソロ曲はまあそういう感じね、というところでしたけど(笑)。

 

曽我部恵一
 ややしっとりめの東京とカレーライスを披露。風貌はただのおっさんだな(笑)。インパクトには欠けてましたがいいライブ。

 

湯川潮音
 ミルクティー披露。これまたしっとり。ちょっと雰囲気の違うミルクティーというか大人の雰囲気濃厚だった。

 

大槻ケンヂ
 湯川潮音とデュエットで哀愁の東京タワー、そしてソロで日本印度化計画。弾き語りの系譜としては遠藤ミチロウタイプ。

 

遠藤ミチロウ
 おやすみ、オデッセイ1985SEX。いやもうオデッセイ1985SEX(福島なまりバージョン)を聴けたのがなんというか。素晴らしかった。

 

大友良英&エンケン
 まずはエンケンがソロで1曲(44年目のカレーライス)披露した後に夜汽車のブルース。最初は大友さんのギターがあんま聞こえなくてアレでしたが後半はフィードバックされたギターが存分に。ただまあもう少しグイグイいってもよかったんではなかろうか。

 

鈴木慶一
 ほんとだよ、塀の上で。いやこれスゴかった。リゾネーターギターっぽい音色でフィードバックをまき散らしつつ幽玄とパフォーマンスされる「塀の上で」はちょっと空間自体異次元にいる風情。サイケデリックブルースの極北。

 

PANTA
 悪たれ小僧、時代はサーカスの象にのって。PANTAはなんといってもボーカルの力強さにつきる。一人だけダイナミックレンジが違う感じ。すごい。

 

フラワーカンパニー
 深夜高速、東京ワッショイ。東京ワッショイは途中からエンケンが登場し一緒にパフォーマンス。昔みた時のような狂騒感は抑えめでしたが、ロック的な迫力は十分。バンド演奏としての力強さを発揮してた。

 

エンケンバンド
 まずは男のブルースを披露。これがまあものすごくて、フォーマットは完全なブルースコードながら出てくる音は完全にオルタナティブでハードコアでパンクでサイケデリックでロックなそれ。最近ストーンズがブルースアルバム出して話題になってましたがあんなもんじゃない爆走ぶりがもうスゴすぎる。さらに畳みかけるようにフォロパジャクエンNo.1。これまたガチャガチャとかしましいロックで最高。
 さらにアンコールはゲスト陣が集合しての不滅の男。これはちょっとギターの音含めてやや消化不良気味な感もあったけど、いかにも大団円的な風情はよかった。
 ラストは山本恭司!がゲストとして登場しての夢よ叫べ。非常に幻想的なパフォーマンスで美しい締めくくり。

 

全体的にみるとちょっと消化不良というか散漫な印象もあったけど、個々のパフォーマンスは素晴らしくて、いいライブ。つうか、鈴木慶一PANTAエンケンといった先人が人生の終盤(失礼)に差し掛かったところで、改めておのれの自我を全開にして唄うことの凄みを感じ日だった。なんかもう音楽家としての立ち方が違う印象。

12月20日 OVAL Live in Japan 2016 at TSUTAYA O-nest

 

 さてOVALである。OVALには個人的な因縁があってというか詳細はアレですがいろいろあって何年か前の日本公演はチケット買ってあったけど行けなかったので、今回満を持してのライブということになる。

 わたし的にOVALといえばグリッチノイズというか大昔にThrill Jockeyからだしてたアルバム群を思い浮かべるわけですが、今回のライブはそういうタイプとはやや違って、すごくクラブミュージック的というか明確なビートとメロディがすごい音圧で鳴ってる感じ。とにかく飄々とステージに現れて出した一発目の音の音圧がすごくて、まずはそこで圧倒される。後はそのまま一気呵成、、、と言いたいとこですが、次曲の仕込みのためか曲間がすごく長くて、クラブ的なノンズトップ感がなくて、そこがなんか変な感じだったなあ。
 まあクラブミュージック的というものの、当然そこかしこに変な違和感というか不協な音が介在しててその表出具合はちょっと面白かった。ただまあそれが全体のリズムやメロディを崩すわけではなく、どちらかというと装飾的な意匠だったのは個人的には少し残念。

 非常に素晴らしいパフォーマンスだったのは間違いないんだけど、どうも個人的な思いというか期待とは少し違ってて、まあでもそれは言っても仕方ない話で、ここはもう楽しんだもん勝ちというところか。まあ音圧的には最高に近かったしね。

12月14日 六本木Varit@みんなでしあわせゲットだぜTOUR~98%J-POP発売日編~ at 六本木Varit

 

六本木Varit、初めて行ったんだけど本来はクラブなのかな。なんか六本木感溢れるとこだった。

坂口喜咲
 行ったらもう始まってた(泣)。なのでちょっとしか聴けませんでしたが、やはり素晴らしい。多分個人的に今一番沁みる曲をやる人。別に心情重ねるとか「分かる分かる!」とかそういうことではなくて、日常的なホントにどうでもいいことなんだけどどうしようもなくココロの中を占有しちゃう出来事(主に恋愛)をメロディにのせるそのあり方がすごく素晴らしくてじんわりくる。ただ、新しめの曲はもう少し視点が大きくというか俯瞰的というかエコロジー的というかなんかそういう感じになってる気がして少しモヤモヤしてる。あと、ラストで客席に降りてきてムチャするパフォーマンスもいつもやってると思うと少し興ざめしちゃう感はあるかも。

MOSHIMO
 もう何度も書いてる気がしますが、キュートな性急系ギターガールズロック(適当)。端緒は7188とかとかねごととかSCANDAL(はちょっと違うか)とかそのあたりになるのかよく分かりませんが(これも適当)、今ガールズロックといえばこれか、これからキュートをとって椎名林檎を入れたタイプかっていいくらい多いタイプ。そうなってくるとオリジナリティとしてはキャラクターによるところが大きいと思いますが、そこはまだこれからという感じか。ただ、曲はいいのでライブはおもしろい。

ぽわん
 名前はずっと知っていたけど初めて見たグループ。日本マドンナとかそっち系の赤裸々系パンクバンドかと勝手に思ってたんだけど、系譜としてはふぇのたす〜水曜日のカンパネラの感じでした。もっと全然下品で厨二感に溢れてるけど(笑)。
 このバンドに関してはそのどうしようもない厨二感が最大のポイントで、メンバー全員変な衣装で統一してたり、客を煽りまくるMCだったり、ドラマーが下品さ全開のコール&レスポンスしたり、やってることが全体的にバカバカしさに溢れており、その点カンパネラあたりに観られるインテリ感が薄くて素直にライブが楽しめる。
 まあそれはいい。問題は1曲目だ。ボーカルが客席に降りてきて客を煽ったわけですが、その一端としていきなりブルマ(往年のアレね)をアタマに思いきり被せられるという処遇にあってしまっていやこれどう処理すれば正解なんすかね、、、とおたつく始末。つうかオレにどうしろと、、、。しかもそのブルマ、周囲の常連っぽい人に訊いたら「全然持って帰っていいっすよ!」と言われたんで持って帰ってきたんだが、よく考えたら持って帰ってこれをどうしろと、、、(笑)。

つうわけで、いろいろあっておもしろかった。遅刻したのが悔やまれる。

 

11月21日 ekoms presents OUT OF STEP at 新宿LOFT

 

ekomsってのは桜井健太が代表を務める音楽制作会社で、今回のイベントはそのekomsが企画したもの。なので、メンツ的にはかなり狙ったものとなっておりまして、正直ちょいと前のワタクシなら「ケッ!」となると思うんですが、もうそういう時期は過ぎ去った(のか?)。

二丁ハロ
 おなじみ二丁目アイドル。以前見た時よりもはじけてるというか、二丁目的ないかがわしさは残しつつもより親切設計で開放的になったイメージ。まあこちらが慣れてきたって面もあるのか。
 しかし、サクライケンタの作った曲をやってたわけですが、この人の曲ってメロディは文句なく素晴らしいんだけど、変拍子の使い方とかそこかしこにある種の「ドヤ感」が漂ってて、パフォーマーによってはそのドヤの空気にシラケることもあるんですが、そのドヤをオイオイ系のアイドルソングに変換することで上手くプラスの方向に持って行ってた。後述するブクガとの比較になっちゃうけど、サクライ曲の処理としてはこれ(変拍子なんてクソ食らえ)が正解なんではないかとも思える。

羊文学
 立ち居振る舞いは文化系ミュージックというかいわゆるアングラ的な雰囲気をかもしだしてましたが、音楽的にはいわゆる最近のガールズロックの潮流でもある叙情系ギターロック。悪くはないんだけど奏やアレンジ、ギターの音色などいろいろツメが甘い気がする。まあでもメンバーが出番以外の時に客席ですごくライブを楽しんでてそういうのを観てると応援したくはなる(笑)。

BILLIE IDLE®
 今まで音源しかきいたことなかったんだけど、その音源(の一部)はオリジナルパンクにエレポップ的な雰囲気をまとわるというやっすいニューウェイヴ感に溢れた素晴らしいデキで、とりあえずパフォーマンスを観たかったグループ。で、パフォーマンスもその音源と同様にミュージカル的な意匠をまとったものですごくレベル高い。がしかし、そのレベルの高さゆえか構成があまりにもキッチリしてるせいか、ライブとして観た時にはみ出すものがなくて、パンキッシュば楽曲にもかかわらずなんだかすごくお上品なイメージ。そういう意味で資質的には清竜人25に近いのかも。あるいは宝塚か。
 全体的に演じてる雰囲気のあるメンバーの中で唯一の異物はファーストサマーウィカなんだけど、いかんせん芸達者すぎてアイドルというよりは芸人にみえちゃうのがいろいろ残念。しかしサマーウィカ、(キャバクラ的なベクトルで)メチャ美人になってるなあー(笑)。

THIS IS JAPAN
 性急系ギターロック(ワイルド寄り)。このタイプの音楽はキライではないんだけどさすがに食傷気味。とはいえ性急感はすごく出ていてライブはよかった。まあでもやりにくそうでした(笑)。

Maison book girl
 前回見たのはだいぶ前で、その時はまだ全体的にぎこちなくグダグダといっていいパフォーマンスでしたが、周囲(といっても狭いですが)の評判どおり確かに完成度高くなってた。ダンス含めて整合感がとれてて、サクライ作品特有の叙情感を過不足なく表現してる感じ。とはいえ問題はまさにそこで、ここでのブクガは「サクライさんっぽい曲を演じるグループ」であって、特徴的なメロディを表現するためのダンスや変拍子を強調するための手拍子(合いの手)、グループとしてのまとまり、個人的にはその辺しか残らないというか、ぶっちゃけ言えばもう少し個としてのエモさが欲しい。まあその辺は数観れば自ずとみえてくるのかもしれないけど、ファーストインパクとしての「何か」が欲しい気はするなあ。

てなわけで、いろいろ言いつつも全体として楽しかった。ekomsのイベントって思考的なものが微妙に透けて見えちゃって「ああ、、、」と思うんだけど、なんかもうそういうので忌避すること自体マケだと多少認められる歳になって参りましたよ(笑)。

 

11月16日 Hasegawa Calling 2 at 渋谷CHELSEA HOTEL

 

 bulbのメンバーでもある長谷川氏の生誕イベント。といってもまあツーマンですけど。

umbrella
 以前何度か観たことあるバンド。ジャンル的ににはヴィジュアル系に属すると思うんだけど、音自体はややセンシティブなギターロックで、格好さえ除けばそこら辺のバンドと同等に扱われてもおかしくない感じ。ただ、やはりというべきなのか、サビのメロディなんかは少しポップで、この辺はヴィジュアル系っぽい要素もちらり。個人的にはそこら辺がけっこう好きだったりする。追っかけようとまでは思わないけど、観ると楽しいバンド。CD買ってみたい。

bulb
 さてbulbである。メチャクチャ好きというわけでもないけど、観ると楽しいし、その大人系アヴァンギャルドな世界観は、若手のバンドがやや背伸びして作り出したソレとはやはり一線を画しているというか、これでもかと押しつけられるわけではない、ほのかな色香として漂う耽美感を味わうことができ、ライブハウスにくる背徳感を思い出させてくれる。
 そういう意味で、bulbはレアな音場を得意とするライブハウスよりもやや繊細というか細部の音場を再現できるライブハウスの方が似合ってると思うんだけど、この日はその辺可も無く不可も無くといったところ。
 でもまあライブ自体はやはり楽しかった。個人的にヘドバンなんかをするタイプの曲よりももっとメランコリックなタイプの曲が好きで、そういう曲をやる時のステージ、というかその音空間のなんともいえない空気感はやはり格別。この手の音、ではない空間として場内を支配できるバンドってのはやっぱすごいよね。

 ラストはumbrellaを加えて椎名林檎sex pistolsのカバー(多分)。まあこの辺はおまけってことで(笑)。